森恒二さんという作者の作品なのですけども他にも、自殺未遂者が無人島に集められてサバイバルをする話やいじめられっ子の高校生がボクシングを覚えて街のストリートファイトでいろんな人と戦っていく話等、ちょっと刺激的な世界の中で主人公が揉まれていくヒューマンドラマが多いんですよね
全部が10巻前後で完結していて簡単に読めるのも魅力的です。今日はそんなデストロイアンドレボリューションをはじめとした
を紹介したいと思います
デストロイアンドレボリューション 全9巻 完結
物語は主人公2人が崩壊するビルを眺めながらテロリストとして戦っていくことを誓うシーンからはじまる
過去にいじめ&不登校経験があり留年している高校生マコトと頭が良くてスポーツ万能、恵まれた過程で育ったユウキの対照的な2人
ユウキはそんなマコトになぜか学校で一番の興味を惹かれる。一緒に過ごす中でマコトには何かあるのではないか?と思い、自らの思いを告白する
”僕は近いうちに人を100人以上殺し、テロリストになる”と
ユウキは恵まれた存在でありながらも政治家の汚職や、飽食と飢餓が同時に存在するこの世界の在り方をいびつに感じ、このままでは世界は滅びてしまう、何かしなければいけないのではないか、と世界に対して革命のようなものを仕掛けたいと考えている
そしてその気持ちに答えるようにマコトも誰にも言ったことが無い秘密を告白する。”僕にはそれを実行する力(超能力)がある”と
2人はマコトの力があればそれを実現できると確信し、その力を”ワンネス=すべてを一つにする力”と名付け世間に対し今の世界のありかたを変えるテロリスト集団”問うもの”の活動を宣言をする
ワンネスの防ぎようのない力に世間は大きく動かされ、問うものを神とする信者も多数現れる。マコト達は仲間を増やすが次第に問うもの内でも分裂がはじまり、、アメリカも対テロリスト殲滅に乗り出し、、、と物語は進んで行く
ここが良い!
世界に対してなんとなく憤りを感じる高校生が力をもってそれを振りかざしていく、っていう展開がシンプルで面白い!
ユウキはあくまで革命志向で最後まで大国を滅ぼす勢いで突き進むのだがマコトは途中でこんな世界にも大事なものはある、と問う者の活動を見失ってしまう
自殺島
自殺未遂を繰り返す主人公が目を覚ますと無人にいた
看板には政府が未遂を繰り返す君たちの保護義務を捨てた。ここで自由に生きてくれ。日本に帰ってきてはいけない。いうメッセージのみが書いてある
ただでさえ生きることに希望をもっていなかった人たちがより過酷な無人島の中で”なぜ生きるのか?”と考えてみたり、前向きに希望を持ったり、失敗して絶望したりする話
島には当然警察もないので住民同士の対立や争いも頻繁に起こっていく、、、
みどころ
登場キャラクターの動機がそれぞれ異なっているのだけどキャラ設定が良くできていて面白い
例えば
・親の言うことを聞いてずっとイイ子としてまじめに育ってきた女の子には対照的に奔放で自由に育っていた問題児の妹いた。家族にとっては自分が良い子で妹は悪い子であったはずが妹がデキ結で子供を産んだのを機に家庭内の立場が逆転して居場所をなくしてしまった。今までの私の評価、生き様は何だったのか?と自分を見失う話
とか
・対人関係が苦手で作家活動に没頭していた男性が、俺にはもう作品世界しかない、制作活動に俺よりも情熱をかけているやつはいないだろう、と執筆活動に人生をかける。だがしかし作家の世界で成功するためにも結局は人との交流や作品以外の力が必要なのだと絶望した話
とか
あとは作者さんがサバイバル生活に精通していて無人島生活のサバイバルシーンがかなりリアルに描かれている
”魚はこうやって採るのか~!”とか”狩猟って楽しそうだな~”とかサバイバルシーン情報も見ていて楽しい
もともと社会で行き場もやる気もなくしていた主人公やその周りの人たちがサバイバル集団生活の中でやりがい、目的、生きる理由とかを見つけて強くなっていく過程が応援したくなる
島に集められているメンバーの性格も対照的なのでお互いが長所短所を補いあったり、活発な人と消極的な人が交わって感化されていくような様子も見ていて楽しい
ホーリーランド 全18巻
元いじめられっこの主人公が独学でボクシングを覚えて不良に反撃をする話
不良同士のいざこざが増えてきて争いはやまないのだけど喧嘩で揉まれる中でさらに主人公も強くなっていく
この作品の魅力
格闘シーンがスポーツではなくて路上の喧嘩なので新鮮で楽しい
路上で柔道が喧嘩するとこんな風になるんだ~とか、ボクシングは素手でだとだいぶ感覚がかわるんだな、と知らない世界の話を読んでいる楽しさがある
あとは喧嘩を通じて主人公の交流の輪が広がっていったり、プラスの面みたいなのも見える気がしてドラマ的な楽しさがある
まとめ
そんな感じで森恒二さんの3作品「デストロイレボリューション」「自殺島」「ホーリーランド」の3作品を紹介してみました
ちょっとクセがあるテーマですが私が友人に勧める中でも男女ともに楽しめている人が多い印象です